簿記検定とFASS

簿記検定に対抗するFASSが登場

簿記検定は、会社の数字をより深く読み解いて、分析・理解するスキルを鍛える代表的な資格として、現在においても、経理職だけでなく、いろいろな職種のビジネスパーソンに人気になっています。
しかしながら、このような不動の地位を仕事に活用できる資格として築いている感じがある簿記検定に対抗する、新しい経理系の資格が登場しました。

この資格は、2005年11月に始まったFASSという経理・財務スキル検定です。
このFASSは、実務スキルの測定を、国が整理した「経理・財務サービススキルスタンダード」をベースに行うものです。

現在では、知名度・人気共にライバルなしというような簿記検定に対して、FASSは資格の経理系のいいライバルになる可能性が大きいものです。

簿記検定とFASSの比較

ここでは、簿記検定とFASSについて徹底して比べてみましょう。
まず、簿記検定とFASSの試験概要について比べてみましょう。

試験方法としては、簿記検定の場合は筆記試験で、FASSの場合はパソコンによる試験で、結果は5段階のスキル評価で合否ということではありません。
試験区分としては、簿記検定3級の場合は5題以内の商業簿記で、正答が70%以上で合格になります。

簿記検定2級の場合は、制限時間が2時間で、簡単な原価計算を含む工業簿記・商業簿記で、正答が70%以上で合格になります。
簿記検定1級の場合は、制限時間が1時間30分の会計学・商業簿記、同じく制限時間が1時間30分の原価計算・工業簿記で、正答が合計で70%以上、1科目ごと40%以上で合格になります。

一方、FASSの試験区分は、制限時間90分で、資産、決算、税務、資金の分野からトータルで100問出されます。
得点とレベルの関係は、レベルEの場合は~440点、レベルDの場合は441点~560点、レベルCの場合は561点~640点、レベルBの場合は641点~688点、レベルAの場合は689点~、になっています。

受験料としては、簿記検定の場合は3級が2,040円、2級が4,080円、1級が7,140円になっており、FASSの場合は10,400円、ただし、1法人会員は8,400円になっています。
受験資格としては、簿記検定もFASSも特にありません。

難易度としては、簿記検定の2005年の合格率は3級が41.4%、2級が32.3%、1級が9.8%になっています。
一方、FASSの過去の類型内訳としては、レベルEが12.7%、レベルDが35.0%、レベルCが30.2%、レベルBが13.8%、レベルAが8.3%になっています。

仕事で忙しいビジネスパーソンの場合には、FASSの場合はパソコンによる試験であるため、随時期間中に受検することができるのでありがたいかも知れません。
簿記検定の場合は、一度合格すると資格を永久に持つことができます。
一方、スキルをスコアで評価するFASSの場合には、試験を定期的に受けることによって、普段の勉強の成果を反映しやすいでしょう。

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