1級の問題

簿記検定1級の試験問題の理論チェッククイズ

簿記検定1級に受かるためには、論点を理解しておくことが非常に大切です。
独学している人の場合は、どの程度自分が理解しているのかよく分からない、理論については市販されているテキストが少ない、というような場合は、理解度チェッククイズで確認してみましょう。

論点について、問題としては初級が3問、中級が3問、上級が2問の合計8問あります。
この問題は、満点を簿記を本当に理解している人だけがとれるものであるため、どの理解が自分に不足しているのか確認することができます。

このクイズの問題は、確実に簿記検定1級に受かるための理解をある程度網羅できるように出されています。
特に、計算問題についても中級までの理解ができればスムーズに解答できるようになるでしょう。

上級については解答できなくても問題はあまりありません。
制限時間はありません。
クイズ会計論点は、棚卸資産、金融商品会計、固定資産の減損会計、税効果会計、外貨換算会計があります。

簿記検定1級の頻出論点

商業簿記の場合は、総合問題が出されます。
4回に1回程度連結会計は出され、たまに本支店会計は出されます。

商業簿記の場合は満点を無理に追求しないで、部分点をとにかく狙いましょう。
非常に高い難易度の論点も出されますが、いかに低い合格率の回の場合でも基本的なところを得点していると受かるようになっています。

理論問題が会計学の第1問ですが、対策としては補助テキストやテキストに記載していることを読んで問題演習を行っておく程度でいいでしょう。
単発計算問題が会計学の第2問です。

商業簿記の総合問題の場合には、出しにくい論点がよく出てきます。
演習を重点的に行う必要がある論点は、リース会計、減損会計、退職給付会計、企業結合、連結会計あたりです。

単発計算問題が会計学の第3問はメインです。
しかしながら、理論記述問題が第3問で近年は出されたりします。

対策としては、とにかく高い難易度の問題演習ができる力を養いましょう。
会計処理の意味を、そのために理解する必要があります。

工業簿記の場合には、総合、個別、原価計算基準や標準原価計算が出されます。
特に、非常に標準原価計算について出される頻度が高く、また理論問題の原価計算基準なども出されるため対策しましょう。

原価計算の場合は、管理会計や意思決定が出されます。
論点は原価の古典的な計算というものではなく、経営者目線の割合新しいものが多くなっています。

原価計算の場合に出される問題は、問題文を読み間違えた場合には間違いがなだれ式になってしまうようなものが多くあります。
このようなことを防止するためにも、データ整理について下書きすることなどを日頃から行っておくことが必要でしょう。

2級の問題

第139回の簿記検定2級の試験

第139回の簿記検定2級の試験は難しかったと言われているそうですが、どのような内容のものだったのでしょうか?
ここでは、第139回の簿記検定2級の試験について、解答の方法について分析してみましょう。

第1問~第5問

第1問は、従来と同じような問題で、仕訳問題でした。
出題としては、修繕費と建設仮勘定、定期預金、長期前払費用、修繕費と修繕引当金、不動産取得税と固定資産税の5つでした。

長期前払費用、定期預金、不動産取得税と固定資産税の3つについては、初めて出された問題でしょう。
しかしながら、修繕費と修繕引当金については、直近においても137回の簿記検定2級の問題で同じような問題が出されています。そのため、過去問を事前にチェックしておくとできたのではないでしょうか。

修繕費と建設仮勘定は、131回の簿記検定2級で出されているため、過去問と基本的なテキストにある知識をベースにして解答をなんとか出したいものです。
その場で、残りの3つの問題に関しては解答を考える必要があります。

第2問は、備品を売却する際の売却損、固定資産における減価償却費や備品を除却する際の除却損、勘定記入でした。
受験生があまり得意ではないような勘定記入の問題がありますが、全問正解することも落ち着いて行うとできる問題でした。
問題の中に、見慣れない200%定率法という言葉が出てきていますが、年25%の償却率と与えられているため何とか諦めないで解答を出したいところです。

第3問は、貸借対照表を作ることと、損益計算書の項目の一部の金額の問題でした。
貸借対照表を作ることは、138回の前回の試験において出されていたので、続けて2回出されるのは想定外でした。

現金預金、貸倒引当金と受取手形、前払費用、商品、未払費用、繰越利益剰余金、退職給付引当金、売上総利益、当期純利益については正解したいところです。
実はコツを掴むと、金額の変動が少ない貸借対照表は、得点が損益計算書よりもとりやすくなっています。

第4問は、製造間接費の部門別の計算でした。
過去の試験でも、ほぼ同じ問題が出されています。

第5問は、CVP分析でした。
過去の試験においても、何回も出されており、近い問題も出されています。

簿記検定2級で出される問題は、過去問をやっておくと可能なもの、簿記検定3級の知識で解答できるもの、全く新しいスタイルのものに分けることができます。
このように見てみると、139回の問題は得点を積み上げるのが困難であると言われていますが、全く新しいスタイルの問題については後回しにして、過去問をやっておくと可能な問題、簿記検定3級の知識で解答できる問題を先に解答することによって、合格できたと言えるでしょう。

3級の問題(3)

簿記検定級3級の第3問

簿記検定級3級の第3問のほとんどは、試算表を作成する問題が出されます。
財務諸表を作成する問題がたまに出されますが、問題内容としては試算表を作成する問題と同じでしょう。

問題文から仕訳を下書きしてから、集計して回答するというような流れに十分に慣れましょう。
試算表を作成する問題の場合には、二重仕訳が受験生の多くが悩んでいます。

出題スタイルとしては、集約取引型と日々の取引型がありますが、集約取引型が出された場合だけ注意しましょう。
過去の出題回数の多い論点としては、残高試算表の作成、合計残高試算表の作成、合計試算表の作成、後T/Bから財務諸表、合計残高試算表、の順になっています。

T字フォームを使用して練習

ここでは、しっかりと期中の処理が行われているかどうか、T字フォームを使用した集計方法により練習してみましょう。
過去の出題では、T字フォームの作成から求められます。

そのため、お金の流れがなんとなく理解できていて、解答も一応は出せるというだけではいけません。
T字フォームへの勘定科目の埋め方が分からなければなりません。

それでは、売掛金の推移をT字フォームで記入していく問題を見てみましょう。
まずは、取引記録が書かれています。
最初の時点での売掛金残高がいくら、その後の売り上げがいくら、その他手形や現金の動きが文章と、日付で書かれているのです。

そこから、T字フォームを用いて推移を記入していき、最終的な残高を計算するのです。
まず、簿記の問題を解く上で欠かせない仕訳を行います。
売掛金や買掛金、振り込まれた普通預金へと仕訳してください。

これが済んだら、T字フォームの作成に移ります。
まずは、推移の集計を始める際の金額を「期首残高」として、金額を記入してください。
そこから、取引記録にのっとり、借り方へお金の増加を、貸し方へ減少を埋めていくのです。

例えば、仮受金が発生していた場合。
仮受金とは、不明な出自のお金になるので、T字フォームには書くことができません。
しかし、過去出題でよくあるパターンとして、「●日に仮受金が普通口座預金に発生しましたが、次の日にそれは売掛金の回収金であるという報告を受けた」という文言があります。
この場合は、仮受金と普通預金で相殺していた勘定科目から、売掛金として勘定科目に記入しなければならなくなります。

この場合は、売掛金の回収は、将来にお金が受け取れる権利を失ったことになるという考えから、貸し方へと記入されます。
その他、買掛金の支払いも資産が減っているため、貸し方になります。

それでは、借り方の方へは何を記入すればいいのでしょうか?
主には、売上がそれにあたります。

それらをT字フォームへ記入していき、最終的な残高を計算することで、期末の残高試算表に記入する金額が算出できます。

基礎的な知識を多く求める簿記の3級。
第3問は、多くの配点があるため、得点を獲得したいところですね。
そのため、集計の練習をしっかりしておきましょう。

3級の問題(2)

簿記検定級3級の第2問

簿記検定級3級の第2問は、仕訳力の帳簿組織に当てはめたものの問題が出されます。
頻出論点の商品売買をメインにした補助簿・主要簿の帳簿組織が、よく出されるため理解を丁寧にして記入の方法を練習しましょう。
過去の出題回数の多い論点としては、勘定記入、商品有高帳、売掛金・買掛金元帳、補助簿の選択、処理方法の変更、当座預金出納帳、手形記入帳、の順になっています。

商品有高帳についての練習

簿記検定3級の第2問対策として、商品有高帳について練習してみましょう。
商品有高帳とは、商品の在庫を管理する上で欠かせないものであり、商品をどれだけ仕入れたのか、どれだけが売り上げられたのかを管理する帳簿です。

それを完成させるために、仕入帳、売上帳が必要となり、それら全てを作成する問題が、本試験の過去出題にも見受けられます。
つまりは、売上、仕入のどちらの帳票も作成していき、そこから商品有高長を作るという流れを理解していかなければならないのです。

例えば、過去数日間の仕入と売上の記録が書いてあり、これらの取引記録から、仕入帳、売上帳、商品有高帳を作成する問題。
取引記録には、●日にどこから、いくらの商品をいくつ仕入れた(売り上げた)ということが書いてあります。
ここから、どういった解答が導き出されるでしょうか。

解答の手順としては、まずは仕訳です。
仕入は、仕入と買掛金へ。
売り上げは、売掛金と、売上に仕訳けられます。

仕入帳と売上帳はここから、ほぼそのまま入れていくだけになります。
仕入れは、摘要の部分にどこから何をいくつ売ったのか、仕入れたのかを記入。
その右に金額を入れて下さい。
その際に、日付順に並べることだけ気をつけましょう。

そして、商品有高帳へは受入高、払出高と残高欄があります。
受入高へは、仕入による取引記録を、払出高へは、売り上げの記録を記入していきます。
それを時系列順に並べることで、残高を計算していきます。

ここから見えるのは、どれだけのものを仕入れて、それが売上げられた(出ていった)のかということです。
一番右の残高には、それにより現在はどれくらいの在庫を抱えているのかが分かります。
数字が少なければ、仕入の必要がありますし、これが長い間大きな数字を示していた場合は、在庫過多の仕入過ぎということが見えてくるのです。

基礎から少し応用へ

簿記3級程度の場合は、この帳票を作る流れを知ることがメインになり、そこに難しい計算は入りにくいです。
例えば、50円の物を120個売りましたといったような算数レベルの計算です。

なので、やはり大切になるのは、仕組みを理解することに加えて、仕訳を性格に行うということです。
もし、この問題で間違うことがあれば、おおよそは先ほどの2点ができていないことが原因と考えられます。

3級の問題(1)

簿記検定3級の第1問

簿記検定3級の第1問の場合には、5問の仕訳問題が出されます。
問題が出されるのはあらゆる論点からですが、高い出題頻度の論点をメインに丸暗記するような感じで多く解答しましょう。
過去の出題回数の多い論点としては、資本の引き出し、固定資産の売却、給与と所得税納付、当座借越、為替手形による仕入、内容不明の入金と判明、手形の割引、の順になっています。

仕訳の問題についての練習

ここでは、簿記検定3級の第1問の仕訳の問題について練習してみましょう。
まず、仕分けの際には、勘定科目の一欄の中から適当であるものを選ぶことから始まります。
勘定科目には、現金、当座預金、売掛金、買掛金などが挙げられ、その数は20個近くの選択肢があるのです。
それでは、例題と回答を見ていきましょう。

例えば、仕入れを行った商品に対する買掛金●円と、次の仕入れに対する手付金を現金で支払った場合は、どうなるでしょうか。
買掛金は、そのまま買掛金として仕訳、手付金は前払い金となります。
それらは全て現金で支払われているので、その二つの金額を合わせて現金としても仕訳します。

他にも、仕入れの際に「約束手形を裏書譲渡」することで支払いが済まされた場合。
仕入れの金額はそのまま仕入れとして仕訳しますが、約束手形は「受取手形」として仕訳を行います。
手形の取引に関しては、実際の計算の時に減少させる対象になったりするので、仕訳をきちんとできないと、その後にも影響が出てしまいます。

その他にも、売買目的の有価証券や、その代金にかかる手数料を仕訳しなさい。
支払い方法は小切手になり、その際の当座預金の残高や、借越限度額などは●円になります。
といった内容の場合、売買目的有価証券は、手数料を含めた金額にて仕訳をしなければなりません。
ただし、借越を行っているので、当座預金と当座借越の合計でその売買目的有価証券の金額と合致するようにしなければなりません。

仕訳の問題は基本中の基本

仕訳というのは、簿記において貸借対照表、損益計算書を作成するために、該当する項目が、どのお金にあたるのかを当てはめていくだけの作業です。
実際には、そこから損益を計算したり、帳票を作成しなければならないので、これができていないと、その後の問題にはほぼ進めないといえるでしょう。

ましてや、簿記の試験における仕訳問題は、選択肢がある中、金額も明記されているため、すぐに答えることが訓練でできるようになります。
逆にいえば、この部分を素早くすることで、次の問題へかける時間を作ることができるため、第一問ではつまずけない部分です。
普段から、これはこの勘定科目にあたる、これはなぜこの科目になるのかといったことを考えながら表を見ると訓練になるかもしれません。