手に職をつけるための資格「簿記検定」

簿記検定とは

簿記検定という資格のことは、誰でも一度は耳にしたことがあると思います。
現在日本国内において行われている簿記の検定試験は、日商(日本商工会議所)と全経(社団法人全国経理教育協会)のほか、全国商業高校等学校協会など複数の団体によって主催されています。
ですが知名度的には日商の簿記検定の方が圧倒的に高いため、一般的に「簿記検定」というと日商簿記のことを指していることが多いようです。
日商の簿記検定は、簿記の検定試験の中でも最もレベルが高く、受験者も商業科の学生をはじめビジネスマンや一般大学生など、非常に幅広いことが特徴になっています。

日商簿記検定の科目、試験日

日商簿記検定の科目とされているのは「商業簿記」と「工業簿記」の2つです。
ふつう会社など実務の場面で口にされる「簿記」とは商業簿記のことを言うものですが、最近は製造業における原価計算が重視されるようになってきたこともあり、工業簿記の知識を必要とする現場も急増しています。
簿記検定における知識とは、単純にお金の出入りをわかりやすくまとめるということのみならず、ものづくりの基礎的な流れを知ることでもあるのです。
簿記は、今後も幅広い分野において必要とされるスキルとなっていくことでしょう。

日商の簿記検定は、年3回(6月・11月・2月の日曜日)の試験日程で行われています。
試験地は全国の商工会議所によって定められており、受験者はそれぞれの地域の要項に従って申込みをすることになります。
一方で全経の簿記能力検定は同じく年3回(7月・11月・2月)行われています。
日商の簿記検定では受験できる等級として1~4級があり、全経の場合は1~4級までに加えさらに上級という資格があります。
受験者は自分のレベルに応じて上の級をめざしていくことになりますが、一般的には日商の簿記検定の場合は2級、全経の簿記能力検定の場合は1級の合格がいわゆる「簿記知識を十分に備えた人材」として企業にアピールできるものとされています。

企業会計の現場をみると、最近では会計ソフトが当たり前に導入されてきているので、ともすると簿記の専門知識はあまり必要ではないと思われていることもあります。
ですが、どんなに便利な会計ソフトであっても、専門的に経営分析をしたり、財務状況を把握するためにはやはりきちんと系統的な簿記の知識は必要です。
経理職に就く予定の人はもちろん、将来的に経営に携わりたいと思っている人なら、簿記検定試験を受験しておくことは大変おすすめです。

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