1級の受験方法

簿記検定1級の受験方法

簿記検定1級というのは、簿記の技能について検定をするものです。
1級~4級まで簿記検定はありますが、この中において簿記検定1級は一番難しいものです。

具体的な試験内容

簿記検定1級の試験科目・試験時間としては、会計学・商業簿記が1時間30分あり、一度休憩した後、原価計算・工業簿記が1時間30分あります。
商業簿記の場合は、会社が行っている取引を計算したり、記録したりして財務諸表を作るものです。

会計学の場合は、理論的な商業簿記について背景が質問されます。
工業簿記の場合は、対象として製造業の簿記になり、この取引を計算したり、記録したりします。

一方、原価計算の場合は、製品を造るためにいくら原価がかかったかということを計算するものです。
原価計算というのは、一部の工業簿記であるとも言えます。
複雑な原価計算のみを工業簿記の中から抜き出して、一つの科目にしたものであると思ってもいいでしょう。

合格基準としては、70%以上点数をとることが必要です。
しかしながら、1科目ごとについては40%以上の点数が必要となっています。
つまり、4科目のトータルにおいて70%以上の点数で、しかもそれぞれの科目は必ず40%以上の点数がないと合格しないようになっています。

点数で考えれば、1科目あたりが25点で、4科目あるため満点は100点になります。
4科目のトータルでたとえ70点をオーバーしていたとしても、10点を1科目でも下回ってしまうと合格にはなりません。

受験することができる対象者としては、簿記検定2級を取得している人です。
特に受験資格は無いため、簿記検定1級からいきなり受けることもできます。
しかしながら、基礎的なことを2級で学習してから1級を受ける方が、スムーズに無理なく学習ができるでしょう。

また、2級までと異なって、1級は難関の国家試験である税理士や公認会計士などの登竜門と言われるくらい困難な試験であるため、勉強を覚悟を決めてスタートするようにしましょう。
学習期間の目途としては、簿記の学習に専念することができる学生のような場合には1年、社会人の場合には2年程度かかります。

試験日は、6月と11月の年に2回行われ、受験料は7,500円です。
申込方法としては、受験場所によって違っているため、受験を希望するところの主催者のウェブサイトなどをチェックしてみましょう。
団体で大学や高校で受験する場合は、その大学や高校で申し込むようになります。

合格発表は、受験を希望するところの主催者のウェブサイトなどを確認してみましょう。
少しでも遅れた場合には入室できないところもあるそうなので、絶対に試験には遅れないようにしましょう。

簿記検定試験の内容と教材について

簿記検定試験について

簿記検定試験のうち、もっとも受験者数が多くまた知名度が高いのが日商(日本商工会議所)主催で行われる簿記検定です。
日商の簿記検定は毎年、年3回の頻度で試験が行われておりそれぞれ6月・11月・2月の日曜日に試験日が設定されています。(ただし、1級の試験のみ2月の開催日には実施されていません)。
合格率はだいたい25%が平均となっていますが、実際の試験ごとの合格率をみていくと10%程度のときもあれば50%くらいのときもあります。これは試験内容の難易度のばらつきというよりも、そのときの受験生のレベルによって左右されるのではないかと言われています。

簿記検定には1~4級の段階がつけられていますが、一般的に「簿記」の資格といわれるのは2級のこととなっています。
これは2級の問題以上には会社実務に直接役立つ専門知識が問われるようになっているためです。
1級以上になると経理の責任者としてだけでなく、さらに会計のプロである税理士や会計士へ通じるほどの知識があるものとされています。
簿記検定4級は簡単すぎであるとともに、あまり実務的に役に立つ場面もないことから、あまり受験を希望する人はいません。2級を受けたいけれどもまだそれほど自信がないという人の中には、3級からはじめるという人もいるようです。
ちなみに、試験の時間はずらされて設定されているので、同じ受験日に2級と3級の両方を受験することも可能です。

日商簿記検定3級と2級の大きな違いは、試験科目に工業簿記が入ってくるかどうかです。
いわゆる簿記とされる商業簿記については3級の試験問題の範囲となっており、商業簿記の部分だけをみれば、2級と3級にはそれほど難易度の差はありません。
簿記検定2級の合格ラインは70点以上となっており、問題は商業簿記が60点満点、工業簿記が40点満点という配分となっています。
商業簿記の知識に十分な余裕があればかなり合格ラインに近い点数をとることができるので、できれば3級からではなく2級からのチャレンジがよいと言えます。

テキストもたくさん出ている

日商簿記検定試験のためのテキストは、市販の参考書を始め多くの商品が販売されています。
アマゾンなどのインターネット通販サイトで検索をしてみれば、非常に多くの書籍がヒットすることに気がつくでしょう。
おすすめなのはまず網羅的な簿記の知識がわかる書籍を1冊読み込み、その上で過去問などにあたるようにする方法です。慣れてきたら予想問題集などにもチャレンジしてみるとよいでしょう。

参考: 簿記検定ナビ

簿記検定を受験するメリット

簿記検定試験は簡単ではない

簿記検定試験は、決して易しい資格試験ではありません。
一般的に、会社業務に必要な簿記知識を持っているとみなされるのは日商簿記検定で2級以上、全経の簿記能力検定では1級以上となっています。
日商簿記検定2級の合格率は平均で25%程度、全経の簿記能力検定の合格率はその受験回によって10~50%台までと大きく幅があるものの、ならせばだいたい日商と同じ25%程度になるようです。
個人差はありますが日商簿記検定2級に合格するために必要な勉強時間はだいたい250時間以上とされています。
仮に250時間ぴったりの勉強時間をとるとすれば、1日2時間の勉強で125日(4~5ヶ月)です。そう考えれば、いかに真剣に取り組むべき資格であるかがわかるでしょう。

簿記の資格はどこで役立つのか

そのような難易度の高い簿記検定資格ですが、具体的にはどのような場面で役立つでしょうか?
まず、最も最大にその能力が活かせるのは経理職に就く人の場合です。
簿記検定を受験する人の内訳をみると、最も多いのは商業科に通う高校生や専門学校生ですが、次いで社会人として働いている人もかなり多くの割合となっています。
これは企業の経理課などに配属になった人などが、より専門的な知識をつけて業務に関わるために勉強をするというケースが多いからです。

もちろん、現在別の業務についていて、転職時に有利になるようにと受験をする人もかなり多くいます。これから転職をする場合に簿記検定を取得しておくことで、経理職に直接就くわけでなくとも営業などで取引先の財務状況を読み取ることに活かすことなどができます。
新規取引先についての知識は、どのような業界の企業に勤めるとしても必ず必要となる知識なので、とっておいて損となることは絶対にありません。
そういう意味で、履歴書に記載があることだけでかなり転職時に有効なアピールができる資格ということが言えます。

更に、簿記検定の最上級である日商簿記検定1級または全経の簿記能力検定上級にまで合格することができれば、そのあと税理士試験にもかなり役立ちます。
そのため、まずは簿記の知識を得て経理業務からスタートし、のちに税理士や公認会計士など会計業務のスペシャリストを目指すということもできます。
会社によっては資格手当として、簿記資格所有者には数千円程度の資格手当が支給されることもあります。
簿記検定は将来にわたり、かなり大きなメリットをもたらしてくれる資格であると言うことができるでしょう。

手に職をつけるための資格「簿記検定」

簿記検定とは

簿記検定という資格のことは、誰でも一度は耳にしたことがあると思います。
現在日本国内において行われている簿記の検定試験は、日商(日本商工会議所)と全経(社団法人全国経理教育協会)のほか、全国商業高校等学校協会など複数の団体によって主催されています。
ですが知名度的には日商の簿記検定の方が圧倒的に高いため、一般的に「簿記検定」というと日商簿記のことを指していることが多いようです。
日商の簿記検定は、簿記の検定試験の中でも最もレベルが高く、受験者も商業科の学生をはじめビジネスマンや一般大学生など、非常に幅広いことが特徴になっています。

日商簿記検定の科目、試験日

日商簿記検定の科目とされているのは「商業簿記」と「工業簿記」の2つです。
ふつう会社など実務の場面で口にされる「簿記」とは商業簿記のことを言うものですが、最近は製造業における原価計算が重視されるようになってきたこともあり、工業簿記の知識を必要とする現場も急増しています。
簿記検定における知識とは、単純にお金の出入りをわかりやすくまとめるということのみならず、ものづくりの基礎的な流れを知ることでもあるのです。
簿記は、今後も幅広い分野において必要とされるスキルとなっていくことでしょう。

日商の簿記検定は、年3回(6月・11月・2月の日曜日)の試験日程で行われています。
試験地は全国の商工会議所によって定められており、受験者はそれぞれの地域の要項に従って申込みをすることになります。
一方で全経の簿記能力検定は同じく年3回(7月・11月・2月)行われています。
日商の簿記検定では受験できる等級として1~4級があり、全経の場合は1~4級までに加えさらに上級という資格があります。
受験者は自分のレベルに応じて上の級をめざしていくことになりますが、一般的には日商の簿記検定の場合は2級、全経の簿記能力検定の場合は1級の合格がいわゆる「簿記知識を十分に備えた人材」として企業にアピールできるものとされています。

企業会計の現場をみると、最近では会計ソフトが当たり前に導入されてきているので、ともすると簿記の専門知識はあまり必要ではないと思われていることもあります。
ですが、どんなに便利な会計ソフトであっても、専門的に経営分析をしたり、財務状況を把握するためにはやはりきちんと系統的な簿記の知識は必要です。
経理職に就く予定の人はもちろん、将来的に経営に携わりたいと思っている人なら、簿記検定試験を受験しておくことは大変おすすめです。